村田が取り出した「なんでも翻訳機」は、ポケットサイズの小さな装置だった。興味津々の田中は、村田の言葉に促されるまま、それを手に取った。
「本当に何でも翻訳できるんですか?」と田中が尋ねると、村田は自信満々にうなずいた。
「もちろんです!試してみましょうか?」
村田は翻訳機のスイッチを入れ、田中に何か言うように促した。
「えーっと、こんにちは。私は田中です。」と田中が日本語で言うと、翻訳機がブザー音を鳴らし始めた。次の瞬間、装置から出た言葉は、
「グッドモーニング!アイアムタナカアイスクリーム!」
田中は思わず笑いをこらえながら、「これは…ちょっとおかしいですね」と言った。
村田も笑顔で、「まぁ、まだ調整が必要なようですね。でも、これを使ってみんなを笑わせることができると思いませんか?」と答えた。
田中は少し考えてから、「確かに、面白いかもしれませんね。試してみましょう」と賛同した。
町中での実験
次の日、田中と村田は町中に繰り出した。まずはカフェに入り、周りの人々に翻訳機を使って話しかけることにした。
田中がカウンターで注文をする際に、翻訳機を使ってみた。
「コーヒーをください」と言うと、翻訳機が反応して、
「コーヒーポットを空にしてください!」と変換された。
店員は一瞬戸惑ったが、すぐに笑い出した。田中もつられて笑い、村田も満足そうに頷いた。
次に、二人は公園に行き、散歩中の人々に話しかけた。
「いい天気ですね」と翻訳機を通して言うと、
「魚が踊る天気ですね!」と出た。
公園の人々も大笑いし、二人の周りに集まり始めた。翻訳機を使ったおかしな会話は瞬く間に評判となり、二人は町中の人気者になっていった。
町のイベント
ある日、町でお祭りが開かれることになった。村田は田中と一緒に、このイベントで翻訳機を使ったパフォーマンスを披露することを提案した。
ステージに立つ二人。村田はマイクを手に取り、
「皆さん、今日は私たちの新発明、『なんでも翻訳機』をお見せします!」と宣言した。
次々とおかしな翻訳が飛び出し、観客は笑いの渦に包まれた。最後に、村田は観客からランダムに言葉を募り、それを翻訳機にかけるというパフォーマンスを披露した。結果は予想通り、奇妙でおかしな言葉が飛び出し、笑い声が絶えなかった。
新たな発明
お祭りが大成功を収めた後、田中と村田は家に戻った。
「今日は本当に楽しかったですね」と田中が言うと、村田も満足げに頷いた。
「そうですね。でも、これはまだ始まりに過ぎません。次はもっと素晴らしい発明を作るつもりです!」
田中も笑顔で、「楽しみにしていますよ」と答えた。
こうして、奇妙な発明家村田正男と平凡なサラリーマン田中は、日常の中で新たな冒険を続けることになった。




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